経済

グリーンランドの主な収入源は漁業です。
2010年の輸出品の87%が魚介類(うち55%がエビ)および水産加工品でした。
農業の中心は野菜生産と牧羊、そしてトナカイの飼育です。
またグリーンランドアザラシをはじめとする動物の皮革や毛皮製品も、輸出の一部を占めています。

ここ10年間、グリーンランドでは建設や不動産開発が幅広く行われ、商業投資も進んでいます。現在では800社の企業がグリーンランド雇用者協会に加盟しています。

また観光も非常に重要な産業です。
世界各地からの観光客数は年々増加しており、2011年における国内のホテル宿泊者数は延べ約21万 3,000人にのぼりました。
またクルーズ観光の拠点としても多くの観光船も受け入れています。2010年には350隻のクルーズ船がグリーンランドに寄港し、約2万 9,000人の観光客が訪れました。

近年、グリーンランドの天然資源に世界中の企業や投資家の注目が集まっています。
グリーンランドの下層土や周辺海域には鉱物や石油が大量に埋蔵されており、今後数十年にわたり、これら豊かな天然資源が商業的成長をもたらす最重要分野になると考えられています。
そのためグリーンランド政府は、この分野の優先順位を高めており、国の長期的な商業構造に変化をもたらすと予想しています。

2010年のグリーンランドのGDPは約1,930億円で、そのうち357億円が輸出関連でした。
最大の輸出先はデンマーク(80%)とEU諸国(14%)であり、輸入は主にデンマーク、カナダ、アメリカから行っています。

グリーンランド経済は、2008年の世界金融危機の影響をほとんど受けませんでした。
過去5年間、グリーンランドの魚介類および水産品の輸出は比較的安定しており、世界規模での景気後退に対しても、輸出収入はさほど打撃を受けてはいないのです。