自然と野生動物

デンマークは大西洋地域とヨーロッパ大陸の境に位置し、塩水の北海と、半塩水のバルト海に挟まれています。
気候が変化しやすく、地域による差が大きいことから、多種多様な野生生物が見られます。
約3万種類の動植物が生息する、自然の宝庫ともいえる国です。

デンマークの国獣はコブハクチョウで、雪のように白い羽が特徴です。
H. C. アンデルセンの童話『みにくいアヒルの子』の主役として知られています。

森や湿原を探索するか、少し田舎までへ足を延ばせば、アカシカ、ノロジカ、ダマジカ、リス、キツネ、野ウサギといったほ乳類のほか、カエル、サンショウウオ、ヤモリ、ヘビといった両生類やは虫類に出会えるでしょう。

また空を見上げれば、スズメ、渉禽類(シギやサギの仲間)、猛禽類(タカやワシの仲間)、アヒル、白鳥など、豊かな野鳥の生態が見られます。
たとえば、デンマークの南西部では、ムクドリのユニークな生態を観察できます。
春や秋になると、何十万羽のムクドリがデンマーク南西部に渡ってきます。
多くの鳥で太陽が隠れてしまうため、この現象は「Sort Sol(黒い太陽)」と呼ばれています。 

運が良ければ、コウノトリも見られるでしょう。
コウノトリは赤ちゃんを運んでくる鳥として知られ、かつてはありふれた鳥でした。
最近は生息数が減ってしまったものの、夏になると時々見かけることができます。

400を超えるデンマークの島々を囲む海は、魚、貝、甲殻類のほか、アザラシ、カワウソ、クジラなど多くの生物の住処となっています。


写真: 運がよければアザラシを見られるかもしれません