文化とライフスタイル
デンマークは小さな国ではありますが、その文化は豊かで多彩です。
デンマークの文化やライフスタイルと聞くと、多くの人は家具デザインや文学、建築などを連想するのではないでしょうか。
しかし近年では、これらに加えて「食」や「映画」においても、その名が知られるようになっています。
世界最高のレストランとして4度の受賞歴を誇るNomaは、「新しい北欧の食」(New Nordic Food) と呼ばれる独自の料理法を紹介した先駆者であり、世界中のレストランやシェフに影響を与えています。
またラース・フォン・トリアーや、スサンネ・ビアーといった映画監督は、アカデミー賞やカンヌ映画祭のパルムドールを初めとする国際的な映画賞を受賞しています。
世界に誇るデンマークのスターとしてひときわ輝きを放つのは、童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセンでしょう。アンデルセン童話は、125カ国語以上に翻訳され、世界中で親しまれています。
また思想家のセーレン・キェルケゴールや小説家のカレン・ブリクセンも、世界的に知られたデンマーク人です。
写真: 「みにくいあひるの子」などの童話で有名なハンス・クリスチャン・アンデルセン
デザインを語るうえで欠かせない存在なのは、シドニーのシンボルであるオペラハウスを設計したヨーン・ウツソン、そして現代の売れっ子建築家の一人、ビャルケ・インゲルスです。
またモダンな銀デザイナーであるジョージ・ジェンセンも世界的に有名ですし、ボーエ・モーエンセン、ハンス・ウェグナー、ポール・ケアホルム、ポール・ヘニングセンといった家具デザイナーも、デンマークのインテリアデザインを世界に知らしめてきました。
なかでも最も有名なのは、おそらくアルネ・ヤコブセンでしょう。
今や世界で知られるスワンチェアやエッグチェアは、「デンマーク・モダン」のスタイルを世界に広めた良い例と言えます。
写真: アルネ・ヤコブセンの代表作「エッグチェア」
ライフスタイル
デンマーク人は、3年連続で「世界一幸福度の高い国民」に選ばれています。
そのデンマーク人のライフスタイルでとても大切にされているのが「Hygge(ヒュッゲ)」という言葉。
この言葉は英語でいう「Coziness」、つまり「居心地の良い雰囲気」というような意味になります。
Hyggeを表す内容は、たとえば家族や親しい仲間とおいしい食事を楽しみ、キャンドルの灯った暖かい雰囲気のなかでくつろぐ、といったところでしょうか。家族や友人が集まって祝うクリスマスはHyggeの典型と言えるでしょう。
デンマークの国と人々は、仕事と生活とのバランスが良好であることを誇りにしています。人々は仕事とプライベートの時間の優先順位を自分たちで決めることができるのです。
福祉モデルでは、たとえば職場のフレックスタイム制のように、柔軟性の高い働き方が取り入れられています。また男女どちらも育児休暇が取得できることや、保育施設の充実など、社会的なサポート体制も整っています。これにより、デンマークはもっとも平等な社会を実現しているだけでなく、高い生活水準も維持しているのです。
今では多くの国がデンマークの「生活の質」の背景にある考え方を理解し、自国の社会において生かそうと試みています。
Hyggeな空間作りに欠かせないデンマークデザインについては、こちらのページをご覧ください: