食文化

フェロー諸島では気候により入手できる食材がユニークであり、人々は長年にわたって独自の食文化を育んできました。さまざまな魚介類やラム肉を使った多彩な料理法は特色といえます。

Skerpikjøt
Skerpikjøtと呼ばれる自然乾燥させたラム肉はフェロー諸島の特産品で、いくつかの種類があります。

肉干し小屋(Hjallur)の中に5〜9ヵ月間吊るし、北大西洋の潮風に当てて乾燥させます。
加工期間によって羊毛の状態や発酵の食味が異なります。この干し肉は3つの段階を経て熟成していきます。
1. 肉を干してから数日たつと“Visnaður” と呼ばれる状態になります。この段階ではまだ食べられません。
2. 干し肉が”Ræstur”と呼ばれる状態に変わると、調理せずに食べられるようになります。ただし、主にスープの材料として使われます。
3. 最終的な段階は“Turrur”と呼ばれます。この状態になった肉は薄くスライスし、ライ麦パンのオープンサンドにのせて食べます。

フェロー諸島には約7万頭の羊が生育しており、食用羊のほとんどはこのSkerpikjøtに加工されています。

魚、甲殻類、鳥
フェロー諸島では伝統的に食品を生の状態では販売しないので、鮮魚がスーパーマーケットに並ぶことは滅多にありません。
魚は漁船から直接購入するか、家族や友人から貰うのが一般的です。

フェロー産の鮭は非常に脂がのっており、オメガ3の脂肪を豊富に含んでいます。温暖な海や自然の川、つまり広々としたストレスのない環境の中で育った美味しい鮭が獲れるのです。

鮭の他にはオヒョウ、アンコウ、サバ、タラなどが獲れます。
フェロー産のタラは、しばしば甲殻類と間違えられるほど食感が良く、珍重されています。
甲殻類は高級品として知られ、世界中の有名レストランがフェロー産の大きなロブスターを買い求めています。
他にもウニやタラバガニ、さまざまなムール貝やアサリが近海では獲れます。

フェロー諸島の魚料理の例:
• Fiskaknettir – 羊の脂で煮た魚の団子
• Knettasúpan – Fiskaknettir の入ったスープ
• Fiskakøka – プディングに似た魚フレークのオーブン料理

今日でも使われているフェローの伝統的な食材に、ニシツノメドリ(西角目鳥)があります。ツノメドリの猟や捕獲は、特定の時期に限って解禁されており、Fleygastongと呼ばれるフェローの伝統的な道具(長い柄のついた網)を使って捕獲します。

トースハウンには伝統的なフェロー料理のレストランや寿司屋、新しい北欧料理の店まで、美味しいレストランが多々あります。